おらの好きな日本昔話 麦わら大蛇

2020年6月10日

あらすじ

むかーし、むかし、ある村に御百姓の夫婦が住んでおった。嫁さんは働き者だが、婿さんは年中ぐうたら寝てばかりだった。それでも二人は仲睦まじく暮らしておった。

ある日、婿さんが「山を掘ると金がとれる」という夢をみて、山に金を掘りにいった。

10日くらい掘ってようやく金脈を見つけたが、あまりの量に一人で持ち帰れんので、一度家に帰って嫁さんに手伝ってもらうことにした。

好きなシーン

さて、この話で一番好きなシーンは、婿さんが家に帰って嫁さんとやり取りするところ。

婿「とうとう金をみつけたぞ!じゃがあんまりたくさんあるで、お前と二人で取りに行くことにした」

嫁「それはよかった。でもあたしは田んぼの稲刈りの準備をせにゃならんで」

婿「なにをいうんじゃ??大金持ちになれるというのに。稲なんぞどーでもええー。はよう支度をせんかい」

嫁「うんにゃ。あたしはお金も大事じゃが、稲もかわいいで。ちょっとの間でもほっとかれはせんのよ」

婿「そうか。そんならしかたがない。ほな、わしとわんこう(犬)で運ぶで、当分留守にするがいいな」

嫁「構いませんよ。あんたが日に焼けてたくましゅうなるだけでも嬉しいじゃで。」

仲睦まじい夫婦の秘訣

こんな状況、もし自分だったら論理的に説得してなんとか金を取りに行くようにさせると思う。そして喧嘩が勃発する。

この婿さんのように「仕方ない」は言えないと思う。

夫婦と言えども自分の考えやルールを押しつけるのは良くない。たいていの場合それが自分ルールであることにすら気づけない。

もし頭に血が上るようなことがあったら、この婿さんを思い出して「そうか。そんならしかたがない」と言えるくらいになりたい。