怒りの葡萄 第十六章を読んでの感想
十六章は盛り沢山の内容でした。
とうとう車が故障する
これまで順調に走っていた車ですが、とうとう路上で故障してしまいます。
それにより、車を修理する組みとそのままカルフォルニアに向かう組に別れることを提案するトム。
父や他のものも賛成したのですが、母親だけは断固反対します。
家族が離れ離れになることだけは絶対に嫌だと言い、父ちゃんをぶん殴ってでもこの意見は通す、という意気込みです。
父は威圧に負けて、とりあえず修理する組みを待つことにしました。
ばあちゃんの様子が変だ
修理は予想以上に順調に完了し、翌日にはカルフォルニアに向けて出発できるようになりました。
トムとケイシー(修理組)は車を修理した後に、他のメンバーが待っているテント村に行くのですが、どうもばあちゃんの様子がおかしいとのこと。
頭がおかしくなったのか、死んだじいちゃんに向けて独り言を言ったり、怒ったりしているようです。
トムがテント村についたときには、すでにばあちゃんは寝てしまっていたので、この章ではばあちゃんがどんなようすなのか分からないのですが、心配です。
カルフォルニアの真実を知る
ここで重要な話がでてきます。
テント村の中にカルフォルニアから戻ってきた男がおり、実際のカルフォルニアがどうなっているのかを知ります。
これまでは、高単価の条件の良い仕事があるという情報を信じていたトム一家ですが、実際はそうではないようです。
高単価の仕事のチラシをばらまいたカルフォルニアの人間は、以下のようなことを狙っていたようです。
- できるだけ貧しい家族をできるだけ多くカルフォルニアに集める
- 集めた人々に対して、物凄い低賃金の労働であることを言う
- 本当に貧しい家族以外は帰る
- 貧しい家族だけが残るので、彼らをただ同然の賃金で労働させる
トラクターによって土地を追い出された多くの人の弱みに漬け込んだ行為でした。
しかし、それでもトム一家はチラシ信じてカルフォルニアに向かうようです。
信じてはいないのかもしれないですが、彼らにはもう我が家はないので、進むしかないのです。
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