怒りの葡萄 第十五章を読んでの感想

国道66号線沿いにあるハンバーガー店内の話が書かれています。

ハンバーガー店には二種類のお客さんが来ます。

まずは、常連のトラック運転手です。

運転手は気前が良く、お金も多めに払ってくれることもあるので良客です。

一方で、店員からよく思われていないが、西部に向かう家族です。

彼らは金払いが悪かったり、店の備品をこっそり盗んだりしているため、店員は怪訝な顔になります。

店員のメイは、店にきた貧乏そうな子供連れの男に対して、素っ気ない対応をしているのですが、子供のために飴を本来の値段より安く売ってあげたり、「仕事みつかるかしら」と気にしていたりと、なんだかんだで気にかけていました。(この男性が謙虚な姿勢だったことが理由かもしれませんが)

この男は10セントでパンを買いたかったのですが、あいにく15セントのパンしかありませんでした。

そこで、10セント分だけ切って欲しいと言うのですが、結局は店員のアルの計らいで10セントで売ってもらうことになります。

店としては不利益なのですが、その後、店にいたトラック運転手の客たちが多めにチップを払っています。

これによってお店の不利益は相殺、むしろ儲かったのではないでしょうか。

直接的ではないですが、こうした助け合いが隠れたところで起きているのが面白かったです。

話の本筋とは関係ないのですが、店の中にはスロットが置いてあります。

店員のアルが「三番がそろそろ出るんだ」といって何回かスロットを回して、当たりを引いて得たお金をそのままレジにしまうところは面白かったです。

不正といえば不正のような気がしますが、この時代はこういうことも良くやっていたのでしょうか。