怒りの葡萄 第十章を読んでの感想

2021年8月13日

カルフォルニアに出発する前の各登場人物の心境などが書かれています。

母親はカルフォルニアに対して希望をもっていましたが、トムは刑務所の中でカルフォルニアに対して悪い噂を聞いていました。

「たくさんの働き手を求めている」というのが母親が聞いていた情報ですが、実際は働き手が多すぎて仕事につくことができず、移住者は貧しい暮らしをしているようです。

また、トムの父親・伯父・弟は家財道具を売りにいきましたが、想定より安い価格でしか売れず、落胆して帰ってきます。

この時代では、同じように土地を追われる人が多く、そういう人を狙った商売人が外から来ていました。

商売人は小作人の弱みにつけこみ、できるだけ安い価格で買い取って、その後に高値で売り捌くことで儲けていたようです。

弱者に対してきつい追い討ちをかける社会の様子が書かれています。

この章からは、これからさらに苦難が待ち受けていることが想像できました。

ちなみにこの章で、元説教師のケイシーがトム一家と一緒にカルフォルニアにいけるかどうかを家族会議で決定するのですが、母ちゃんのはっきりした一言がとても印象的でした。やはり大黒柱母ちゃんだと思いました。

ケイシーも同行することになります。

出発直前で、突然じいちゃんがここに残る!と言った時はどうなるかと思いましたが、トムの機転で無事に全員で出発することができたのでした。